奥様がお見舞い?

最近、太田は体の調子が悪くて寝込んでいた。
鼻がムズムズして詰まりまくり、最初は「太田もとうとう花粉症か?」と思っていたのだが、だんだんとフラフラしてくるは、夏日と言われるくらい暑い日に「寒い…」とかほざきまくるわで、とうとう仕事仲間に「太田さん、それ、ひょっとして風邪じゃないんですか?」とか言われてやっと気づいたというマヌケぶりである。

39度程の熱にうなされること約3日、熱も下がったので太田は山へ芝刈りに…じゃなくて普通に仕事に出かけた。が、その日帰宅した途端、またまた熱が急上昇。今度は見事に40度の大台を突破!
40度を超えた体温計を見ては「お~ぉ、すげ~!」と呑気に感動し、それだけの高熱だとゆうのに馬鹿みたいにちびまるこちゃんなんか見てたりする。
そもそも40度なんて熱はそうそう出るもんじゃない。プレミアム予告リーチみたいなもんか…!?
このフラフラ感はなかなか体験できるもんじゃない。年に一度あるかないかの貴重な体験。春節よりめでたい…わけないか。(^_^;
高熱にうなされてんだかうなされてないんだか分からんとこに奥様が帰ってきた。

「誠一、お見舞い来たね」
んっ?お見舞い?お見舞いって、誰が来たの?

「誰来たですか?」
え、誰って…それは太田が聞いてるんだけど?誰か来たの?

「私お見舞いね」
私って…(^_^;

普通お見舞いってのは同居してない人が来るもんである。
例え赤の他人でも、同居してりゃ~「お見舞いに来る」とは言わないし、例え血のつながった肉親でも、同居してなきゃ「お見舞いに来る」というもんだ。そこんとこを奥様に説明しようとしたのだが、なんせ高熱出しながら呑気にちびまるこちゃんなんぞ見ていたから今度は本格的に頭が働かない。っていうか面倒なんで説明はパス!
ホケ~っとしてる太田の顔を心配そうに覗き込みながら、スーパーの袋から奥様が何やらゴソゴソと取り出した。

「お見舞い買ってきたね」
そう言って取り出したのはバナナと桃缶。
なんでバナナと桃缶なんだろ?その昭和のお見舞いセットはなんじゃらほい?

「お姉さん教えてくれたね」
お姉さん?お姉さんって誰?

「会社の人ね」
聞くところによると、奥様がいうお姉さんというのは、同じ会社の人で50歳くらいの人らしい。ようするにパートのオバチャンである。自分より年上の日本人はみんなお姉さんである。
そのオバチャンが「お見舞いにはバナナと桃の缶詰」と奥様に教えたらしい。今の50代の人って、お見舞いはバナナと桃缶だったんだろうね。さすが昭和のお見舞いセットである。
っていうかオバチャン、太田の奥様にいらんこと教えないで!

40度の高熱だけならまだしも、扁桃腺ががっぱし腫れて唾を飲み込むのも辛い。喉が痛くて痛くてたまらないのだ。
それでも馬鹿みたいに食欲だけはある太田、奥様が止めるのも聞かず、喉の激痛と闘いながらも焼肉をガバガバ食いまくった。
「日本では風邪をひいた時には焼肉を食べるんだよ。焼肉のタレにニンニクが入ってるから体にいいんだ」…とか思いっきり有り得ない嘘をついて食べまくった。薬だと嘘ついてビールも飲んだ。
喉に激痛が走るが、食欲のほうが勝ってる。あの体温計、ひょっとして壊れてるんじゃないだろうか?って思うくらい、不思議なほどに食欲がある。
でも喉は痛い…イタイ・・・(≧o≦)

食事の後、奥様が桃缶を開けてくれた。
しかし、すでに焼肉とビールでお腹を満たした太田には、もう桃缶なんぞちっとも食べたいものじゃない。
でも、せっかく奥様が心配して買ってきてくれたんだからと、ひとつだけ桃を食べた。

「誠一、もう桃食べないですか?」
うん、もういらない。お腹一杯だし喉も痛いし…

そういうと奥様は残りの桃を一人で全部食いやがった。ついでにバナナも3本食いやがった。ご飯も食べずに…それが晩御飯なのか?
っていうか、ひょっとして…ひょっとして自分が食べたかっただけなんじゃ…?

「エヘヘ…桃美味しいね。バナナも私大好きね」
や、やっぱりなぁ…(¯◇¯;

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